■ ファーストCD 「生きるなら」を発表後は、かなり張り切って
遠くまでライブにも行ったし、いろいろなことがあった。
大学を出た直後から仕事場として住み着いていた山の家を離れたのも、
その「いろんなこと」のひとつ。
その家は、筑紫野市（太宰府に近いところね。）の山中でみつけた
蔦に埋もれた廃屋で、家主さんを探したら、偶然にも、もとはといえば
彫刻家の仕事場にするつもりで建てたとのこと。
その方は石を彫る彫刻家だったのですが、
突然亡くなったということで・・・。
で、そこを借りて、なんとかして住めるようにして、水は湧き水を
ホースで引いて・・・。（すぐ上で畑を作っていたおじさんに、
勝手なことをしたのを叱られたけど、すぐ理解してくれて、その後は
野菜を好きなだけ採っていいよと言われたっけ。）
電気を引くときは友だちに手伝ってもらって電柱立てて（違法／時効）、
窓もない、台所もない家だったけど、みんな自分で作って、楽しかった。

その家には５年間くらいお世話になりました。
なにが良かったって、ともかく周りに一軒も家が無いんだから、夜中に
ドラム叩こうがチェーンソー使おうが、誰にも気兼ねがいらない。
残飯は外に置いておけばタヌキが食べてくれるし。
・・・猪か猿かもしれないけど。
ああ、野うさぎも何度も見たな。
でも、ライブやなんかで留守が増えて、その内に、ある日、
帰ってきたら、家中に白いジュータンが敷いてあるんだ・・・。
??? と思って、よ〜く見てみたら、それは
白カビだった！
いや、そこに帰ると具合が悪くなるので何だろうと思っていたんだけど、
調べたら、なんと重症のアレルギー症状だったんですね。
白カビが原因だったんだ〜！　正しくは白カビを食べるダニね。
で、しかたなく、引っ越しました。未練たらたら。

その間に、まあ、人並みにアレコレ、スッタモンダもありまして、
そんな中で作った曲をまとめたのがこのセカンドアルバムです。

ところで、なんでアルバムの表紙（中面まで）の写真が魚さばきなんだ?　
という質問にお応えします。
（まあ、たぶん??? だろうから）
僕は、料理が好き。中でも魚さばくのが好きなんですよ。
子どもの頃から近くの寿司屋のおじさんにしつこく聞いて
教えてもらったからね、けっこう、できまっせ。
・・・まあ、友だちや家族に食べさせるくらいはね。
で、セカンドアルバムは、背伸びしないで思いっきり裸の自分を
出してしまおうって気があって、普段の自分を絵にしようとしたら
こうなった・・・というわけです。
僕自身の「生きづくり」っていう感じでもあります。
・・・かな？
ちなみに、このアルバムの曲はどれも一発録り（通常、録音は 何度かに
分けて歌をとるのだけど、頭から最後まで一回で 録るということ）。
こんなこともあって、このアルバムは「生きづくり」なんだ。

このCD の写真は、全て屋久島で撮ったものです。
いや、え〜と、屋久島のカミさんの実家で・・・。
要するに、通い続けた甲斐あって屋久島の子と
結婚しちゃったわけで・・・。
撮ってくれたのは、もちろんまた山下大明大先生。
まあ、そういうわけで、今や僕は半分、屋久島の人間（サル？）に
なりつつあります。